喘息とメプチンエアーと映画「ゆりかごを揺らす手」

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 今日メプチンエアーを処方してもらいました。メプチンエアーは大塚製薬が扱っている喘息の発作を抑える薬の商品名です。
 喘息の発作というのは、呼吸をしたときの空気の通り道である気管支が炎症を起こして詰まってしまうことが原因です。ホコリとか花粉とかいろいろな原因に反応して炎症がおこることで息苦しくなっています。背筋を伸ばして座った姿勢にするとか、冷たい外気にあたるとか、なんとなく騙すテクニックはあるのですが、根本的には管が詰まっているのを解消するしかありません。
 喘息の治療としては炎症をおきにくい体質にしていく平時の対応と、詰まった状態を解消する緊急時の対応とに大きく分けられるのですが、メプチンは気管支拡張剤なので後者の薬です。炎症を抑えるのではなく、腫れたまま無理に拡げるの薬なので刺激が強く副作用も心配ですが、とにかく発作は治まります。溺れている人が藁にもすがるのと同じように、息ができない発作中の喘息患者にとってはメプチンは命の薬です。外出時に忘れてこようものなら不安で不安でしょうがない薬なんです。

 こともあろうか、サスペンス・スリラー映画の「ゆりかごを揺らす手」では、殺人方法としてこのメプチンが使われました。ターゲットの家に家政婦として潜入し、メプチンを空にしておいて、発作を起こさせて命を奪うという、とても恐ろしい手法が使われたのでした。
 しかし、喘息のメカニズムとかメプチンのありがたみって喘息じゃない人にどれだけ伝わるのだろう。我々は恐怖を実感できるけれど、健康な人には伝わらないんじゃないだろうか。どうも変な映画でした。
 主人公が喘息といえばグーニーズとかモーターサイクルダイアリーズが有名ですが(?)、この映画はリアリティというか、なんでそんな発想するの?みたいな理不尽さでずば抜けています。初めて見たときは、喘息持ち必見だけどあまり他人には知られたくない映画だなぁと思いました。ヒットしなくて良かったです。

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このページは、が2007年9月16日 14:47に書いたブログ記事です。

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