2007年11月アーカイブ

 11月15日の社説は朝日・毎日・読売・日経・産経の5紙全てで道路整備の中期計画に関する批判論調が展開されていました。暫定税率を前提とした税収と整備に必要な予算額が一致しており、余剰分が出ない、すなわち一般財源にまわすものは残らない。今の時代に何を考えているのか?という論調で揃っています。

 確かに過去5年間の道路投資額の平均×10年分=68兆円という見積もりはあまりにもぴったりすぎて「落札額は予定価格の99%でした」みたいな感じもしますが、しかし、少し考えてみればこれは“控えめ”な見積もりだと考えられます。
 もちろんこの見積り額の妥当性については詳細を個別に見ておらず、何とも言えないので賛否は置いておくとして、国土交通省のおかれた状況を考えたら“控えめ”と言える、ということです。
 当然ながら、68兆円が妥当だとは思っていません。メチャクチャだと思いますが、出るべくして出てきた数字だと考えているだけです。

 なぜなら、もし仮に「真に必要な道路・40兆円」と発表したとすれば、今やっていることの1/3は必要じゃないことをやっていると言うようなものだからです。全て必要で重要なことだという前提(建前)があるので、抜本的な技術革新があったなど何かしらのエクスキューズがないと、減額することは自己矛盾につながります。
 
 逆に、私が道路族なら「真に必要な道路を積み上げたら80兆円になりました」とぶち上げ、今でも十分に手が回っていないと主張し、妥協点として現状キープを獲得するような戦略をとると思います。そういう意味で“控えめ”と受け止めました。

 今回の問題は、そういった事情を持つ組織に積み上げを任せた政治の判断が大きいと思います。また他に相見積を取れる機関が無いことも原因かもしれません。各都道府県や市町村からも見積もりを取って合算し妥当性を検証するなど、別の角度からのアプローチも必要かと思います。(さすがにゼネコンに見積もりを出させてもしょうがないでしょうけど・・・)
 本当の改善を望むのであれば、一般財源化の骨抜きに眉をひそめるだけでなく、制度の不備も是正する必要があるのではないでしょうか。今回の5紙の社説では、制度問題にまで言及している毎日が一番しっかりしているように感じました。
 ちょっと前ですが、NHKスペシャルでポアンカレ予想に関する特集をしていました。その中で位相幾何学(トロポジー)という一風変わった概念が紹介されており、面白い人がいるもんだと関心しました。
 というのも、どうやらトロポジーでは物の形を粘土のように考えて、穴の数で区別するというのです。例えば、お皿は粘土のように丸めていくと球になりますが、コーヒーカップは取っ手の部分に穴があいているからドーナツ状になる。やかんの蓋も空気抜きの小さな穴があいているから、丸めていくとドーナツ上になる、だからコーヒーカップとやかんの蓋は同じ形状と考えるとか言うのです。
 メガネのフレームは丸めていくと8の字型になって穴は二つ、ボーリングの玉は穴が3つのように思うけど、貫通していないから丸めていくと球(穴は0個)、というような考え方がそもそも面白かったのですが、さてそれでは宇宙はどんな形?穴が0個?1個?それ以上?ということを考えてみるのがポアンカレ予想を解くというイメージでした。

 そして番組内では、宇宙の外から見たら球なのかドーナツなのかわかるかもしれないけれど、その内側にいてその形を知るにはどうしたらよいか?と問いかけ、その一つとして長い、とてつもなく長いロープをロケットにつけて宇宙をぐるっと回ってこさせ、ロープを回収する、それがどこにも引っかからず回収できたら球と考えても差し支えない、といった説明をしていました。もしもドーナツ状であればワッカの部分にロープが引っかかって回収できないから、ということです。枝にロープを引っ掛けてブランコを吊るすようなイメージでしょうか。
 しかし、この方法ってどうも腑に落ちないんですよね。ロケットが一筆書きのようにくねくね飛んで戻ってきたら、ドーナツ上でも回収できる気がするんですよね。帰ってこなかったら少なくとも1つ以上の穴がある、という証明にはなると思うのですが、帰ってきたからといって穴が無いとは言えないんじゃないかと。無いことを証明することの難しさは「悪魔の証明」と言われるくらい困難でしょう。どうもこの方法で証明していくのは無理なんじゃないかと思いながら見ていました。

 最終的にはロシアのペレルマンという天才が微分幾何学と物理学の手法でこの世紀の謎を解き明かし、科学誌「サイエンス」で科学的成果の年間第1位に「ポアンカレ予想の解決」が選ばれたということです。解法やそのロジックはさっぱりわかりません・・・ 
 さっぱりわからないので、ロープが絡まらなかったらどうのこうのというよりも、もっとわかりやすいアナロジーが無いかなぁと考えていたところ、一つのアイデアが浮かびました。

 例えば、とっても大きなドーナツ状のチューブ中に自分が居るとして、それがドーナツ上なのか球状なのか、それとも8の字型なのか、どうしたらわかるだろうか。
 もし宇宙に0とか1という形状があるとして、その中で大きな風船を膨らませます。月だろうが星だろうがどんどん押しのけていく破れない大きな風船です。風船が外壁(があるとして)に達っするまでパンパンに膨れ上がったとき、もし宇宙が球だったら風船も球に膨らむはずです。
 もしも宇宙がドーナツ型なら?風船は穴の部分を回りこんで膨らむけれど、穴の部分で引っかかってU字型に広がり、どこかで必ず風船の外壁どうしがぶつかる箇所が1箇所あるはずです。やかんの蓋のように小さい穴だったとしても。
 もしもめがね型(穴が2個)だったら?外壁のは2箇所で衝突するはずです。おっ?このロジックで行けば、外壁どうしが接触している数が穴の数に一致するではないですか!100万ドルいただき!?

 お題の「n 次元ホモトピー球面は n 次元球面に同相である」という意味がさっぱりわかっていないので解決に近づいたのかなんなのかもサッパリですが、なんとなく宇宙の形を考えることができたような・・・少なくとも頭の体操はできたと思います。
 ま、宇宙の果てで風船に壁があるか無いかをどうやって調べるのよ?という問題が残ってますけど。体積から予想される表面積と実測値(!)の不一致を調べるとかかな・・・


012.gif

images.jpg 数日前からzero3(es)のメールに不具合が発生していました。「メール受信中」「センターにメールがあります」などの表示は出るものの、「メール受信中」のまま受信が完了しない、メールも読めないという状況でした。操作中のタイミングにメールを受信したことが関係しそうだと感じています。
 Outlookの「メール」や「nPOP」では受信や閲覧ができることから、サーバーではなく電話機側の異常を疑っていましたが、再起動しても電池を抜いても状況が変わりません。
 サポートに問い合わせてみたのですが、フォーマット(ハードリセット)して初期状態にするしかないと言われました。しかし、いろいろカスタマイズしているので環境再構築が面倒で仕方ありません。なんとかフォーマットせずに直らないか試行錯誤してみました。

 受信したメールを書き込めないので、いつまでも受信完了しないのだろうと推測し、ファイルエクスプローラで探していると
   ¥Application Data¥SeeTooMail¥Accounts¥070********¥
 というフォルダが受信メール等を保存している箇所だとわかりました。念のためにそのフォルダをバックアップしようとminiSDにコピーをはじめたところ「ファイルを読み込めないためコピーが完了しませんでした」旨のアラートが出たので、かなり核心に近づいた感じです。
 さすがWindowsが入っているだけあって、不具合の出方もPCと似たようなものです。98とかmeの時にはよく同じような症状に遭遇していた気がします。ちなみに、こういった場合はたいてい不良クラスタが発生していたようにも思います・・・

 結果、どうやら「LastUID.ini」か「UID.ini」が壊れていたようでした。この2つのファイルを削除して手動受信をしてみたところ、無事に溜まっていたメールの受信が始まり、閲覧もできました。以降はほぼリアルタイムに受信できるようにも復活しています。これまでに送受信したメールなども問題なく残っています。どうやらフォーマットは回避できたようです。

 いろいろ調べてみたところ、どうやら受信したメールデータのファイルが破損し、異常をきたすケースが頻発しているようです。どうもこにOSはデータが壊れやすい作りのようです。
 しかし、こんな操作をしているとすぐにバッテリーがなくなりますね。
 すごい勢いで原油が値上がりしていますね。10/31のニューヨーク原油先物で一時96.24ドル/バレルまで上昇し、過去最高値を更新したとのニュースがありました。レギュラーガソリンも150円越えたとニュースになっていますね。
 で、値上がりの理由は中東の政情不安や新興国の需要増などとも言われていますが、金余りも原因の一つだといわれています。余った資金が投資先としてオイルの先物市場に入ってきているからだと。しかし、いったいどこにお金が余ってるんでしょう?

 どうやらオイルマネーが金融市場を支えているようです。しかしそう考えるとおかしなことが。

  原油高騰で儲かった産油国のオイルマネーが膨張
    ↓
  いろいろなところに投資。その中には原油先物市場も
    ↓
  資金供給量が増えて相場が上昇
    ↓
  原油価格が上昇してさらにオイルマネーが増大
 
 なんだかバブル的にどんどん原油価格が高騰するスパイラルが出来ているような・・・少なくとも今の科学水準では必需品の石油だからこそできる、足元を見たスキームですね。庶民が負担するガソリンや小売品の値上がり分が、さらなる値上げ圧力を生み出すことになるとはずいぶん皮肉です。
 これをトウモロコシ農家が真似してコーンマネーを作ったとしても、穀物にはコメや小麦といった代替品があるので、そう簡単には回らないでしょう。(でも需要拡大で供給が追いつかなくなったら同じように回りだすでしょうね。そしてそれはそう遠くない先のような気もします)

 原油価格上昇スパイラルを止めるためには、安売りしてでもシェア拡大しようという供給元が現れるとか、エネルギーの石油依存を分散させるとか、儲かったオイルマネーを環境対策に使わせるような世界的なルールを作るとか、どうも実現性の低い夢のような話しか思いつきません。こればかりはバブルが弾けたら大混乱になるでしょうに。
 「日本国内市場で車が売れない」と言われ続けています。日本自動車販売協会連合会が公表しているデータを使って、実際はどれくらいなのかを調べてみました。2007年は9月までのデータで、10月から12月は推計で埋めていますが、傾向としてはそれほどずれないかと思います。

98-07_car2.gif















※図は(社)日本自動車販売協会連合会公表データより作成
※2007年の10月〜12月は1月〜9月の数値と過去9年分のデータより推計



 確かに2006年から下落傾向が見られ、どうもこのまま年末まで行ってしまえば2005年から1割くらい減ってしまいそうな勢いです。
 もっと気になるのは貨物車の登録台数ではないでしょうか。日本の貨物量の90%以上を担うトラック(物流センサス/総流動ベース)が10年間で半減近くになっている!これは大きな異変だと心配してしまいました。
 しかしこれにはカラクリがありました。2004年から自販連が新車登録台数の車種区分を「シャシーベース」から「ナンバーベース」に変更したのです。要するにエスティマとかエルグランドのようなミニバンやパジェロなどのRV車でこれまで貨物車として計上されてきたのが、乗用車になったと。
 グラフで見ると、2003年から2004年にかけてで青が増加し、緑が減少していますが、それが今まで貨物扱いされていた乗用車であると考えていいと思います。(もともと乗用車として扱われていたミニバンやRVもあるので区分変更が全てのミニバンやRVではないことに注意)

 そういう目で眺めると、このグラフはオレンジの線以外はミスリードを誘うだけの無駄な存在でしたね。今回は失敗作の反省と備忘でした。

このアーカイブについて

このページには、2007年11月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2007年10月です。

次のアーカイブは2007年12月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 6.0