これからの農業は大規模化しかない?

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カーギル社(世界最大の穀物メジャー)/2007年度
売上883億ドル(約10兆円)
純利益(Net earnings)23億ドル(約2600億円)

JA(全農)/平成18年度
売上6.6兆円
事業純利益2397億円


 自民党の農業政策は大規模農家を補助する方向になっており、先の参院選で惨敗した主因とも言われていますが、なぜそんな不評な政策を訴えているのかが気になっていました。
 日本の中山間地には棚田のような風景も珍しくなく、空からダーっと種蒔きするような大陸型の農業は北海道以外では難しそうな気もしますし、どうも地域の実情に合っていないような感じもします。
 高齢化や農業人口の減少を考えると、大規模化して効率性を上げていく必要もわかりますが、それだけでは少し説明が弱いというか、強引過ぎるというか。。。
 いまや世界の食料は穀物メジャーが牛耳っているとか、石油メジャーの次は食料メジャーだとか不穏なことが囁かれていますが、もしや自民党の「大規模化」「株式会社参入」は海外のメジャー勢を導入するための水先案内じゃないのか?とも疑いたくなります。金融でハゲタカファンドに好き勝手やられた二の舞になるのでは?という懸念です。

 ところで、穀物メジャーで連想してJAの規模を見てみました。それが最初の数字です。規模だけでざっくり見ると農協もメジャーと同程度の取り扱いがあるじゃないですか。
 かなり好意的な解釈ですが、JAを食料メジャー化して、海外勢に対抗できる「会社」に変えていくことを目的としているのなら、そういうゴールイメージがあるなら大規模化、株式会社化というのはアリかと思います。
 国内の基盤を固めたら海外に支社を広げて・・・という話になってくるとちょっと大英帝国的ですが。。。

 農業の世界も国境がなくなってくれば、海外資本と戦える体制を整えておかないと草刈場になりかねません。「割高だから日本ではコメはやめて儲かる野菜や果物に切り替える」なんて青い目の経営者が決める日が来たら、歴史も文化も吹っ飛んでしまいますから。

 本当に農業のありかたって難しいですね。将来的なことを考えると、今は痛みを伴っても改革すべきでしょうが、すでにその痛みに耐える体力が残っているかどうかという、遅すぎた手術のような感じでしょうか。民主党の麻酔薬処方とどちらがいいんでしょうかねぇ。

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このページは、が2007年10月 9日 22:26に書いたブログ記事です。

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